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1月4日(金)
午前中、ミキミキに泊まっている大阪からいらしたSさんをゴーギャンパールへご案内する。一人旅の女性で、本当に楽しそうにランギロアを満喫されている様子が伝わってきて、こちらまでうれしくなってしまう。
夕方、ポセイドンを連れて近所を散歩していると、自転車に乗ったタヒチアンの男の子が、「Mina〜!!(夫はここではこう呼ばれている)」と大きな声で呼びながら近づいてきた。あれ?この子は、一緒に働いているタヒチアン、ヴァナアの息子じゃない。あのファミリーは、ティプタ村に住んでいるはずなのに、どうしてこんなところにいるの? 聞いてみると、最近アヴァトルに引っ越してきて、うちのすぐ近くに住んでいるらしい。ここにはまだ友達もいないし、退屈なのだろう。ずっと私たちについてくる。そのうち、もう疲れた、車で送ってくれと言い出した。目つきを見ると、どうみても、つまらないからドライブに連れて行ってと言っているようにしか見えない。夫は、駄目だよ運動しなくちゃ、とさとす。私たちの家に続く小道を曲がっても、一緒に自転車をころがしながらついてきて、さらには、門の中に無言で入ろうとする。うーーん。こ、これは・・・。ここで家に入れたら、その後毎日のようにやってくるようになるだろう。遊んでくれる人がいなくて退屈なのは気の毒だが、ここはひとつ心を鬼にしなくては。「やることがあるから、駄目!!」とぴしゃりと言うと、あっけなく帰っていった。
この男の子は、10歳くらいだろうか。日本人やフランス人の感覚から言えば、「しつけがなっていない」ということになるのだろう。が、これが、トゥアモトゥの良さ暖かさなのだ。そしてこれこそが私たちが10年近くトゥアモトゥに暮らしていても、どうしても越えられない壁(?)なのだ。タヒチアンたちの家は、個室らしい個室はなく、兄弟だ姉妹だ親戚だ友達だ、と出入り自由。気軽に家に入って、TVを見たり音楽を聴いたり、ソファに寝そべったり、冷蔵庫の中のものを食べたり飲んだり、衣類を借りたり、財布の中も共有したり。君のものは僕のもの、僕のものは君のもの。え?!いいの?!とびっくりするくらい、気前よく物をくれる。そのかわり、貸したものはまず返って来ない。もちろん「返して?」と言えば、誰かにあげたりなくしたりしていない限り返ってくるのだが・・・。当のタヒチアンの中にもこうした人づきあいを疎ましく思う人はいるようだが、都会育ちでプライバシーを重視する私たち日本人やフランス人には、どうしても越えられない一線がここにある。 |