Le Vent d'Est

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5月30日(木)

今日も晴れ。青空が澄みわたって、椰子の葉がつやつやしている。

このところ、ウィルスつきメールが毎日届く。100Kちょっと、というメールが怪しい。メールチェックをし始めて、120Kとか140Kとか表示されると、即座にプレビューを解除する。ファイルを開かなくてもプレビューしただけで感染するウィルスがあると聞いたからだ。ほとんどが見たことのない送信人名で、Subjectは何も書いてないか、書いてあっても英語のもの。日本語というのはまずない。さっき来たのは、Subjectに「poseidon,try again!」とか書いてあったし、朝いちで来ていたのは「meeting notice」。誰かと会う大事な約束があったっけかなあ? 本文に英語で「こんなゲームをつくったから、やってみて!」みたいなことが書いてあるのも何通も来た。こんなメールは、怪しい、あまりにも怪しすぎる。すぐさま削除だ。もうちょっと考えてつくればいいのに。

こんなのが毎日入ってくるのでは、メールボックスを開ける楽しみも半減してしまう。

5月29日(水)
日中はかなり気温があがり、雨季をほうふつとさせるような晴天が続いている。先週前半までは、あまりにも天気が悪すぎた。ここ数日が本当にこの季節らしい陽気、ブルーラグーンびよりだ。

夕べは、NHKラジオのOさんから国際電話がかかってきた。今週末の放送に生出演してほしいということ。実はこれが初めてのことではない。私が日本へ一時帰国していた4月に夫が出演して、お天気のことやサイクロンの話などをしたのだった。短波放送なので、私は聞かずに終わってしまったのだが。忘れた頃にまた依頼のメールが届いた。今度は奥様に・・・とおっしゃる。「いやだーーー!」と思わず絶叫して、家の中をうろうろうろうろ。話好きの夫が、今回も出演することになった。心底ほっとした。

「地球ラジオ」という番組で、全世界同時生放送を毎週土曜日の午後6時(日本時間)からしている。
世界のあちこちに住む日本人の方の、いろんな話が聞けて、おもしろいですよ。
とにかく今週末、夫の声がちょこっと電波にのります。短波放送を聞ける方、聞いてみてやってください。

5月28日(火)
午前中パソコンに向かっていたら、頭がすっかり煮詰まってにっちもさっちも行かなくなったので(私の場合、私より先にパソコンのほうがフリーズすることはまずない)、庭そうじをして汗をかき、もうひと汗と家の中のそうじもした。全身汗まみれ、さあシャワーで流そう!とシャワールームにかけこんでコックをひねったら、「すか〜〜」という悲しい音と、水がちょろちょろ・・・。がーーん、停電だ。汗でべたべたになった体をどうしろというの? 呆然とする。しかしこんなことでがっくりしていてはこの島で生きていくことはできない。と、自分を叱咤激励しているうちに電気が戻った。喜び勇んでふたたびシャワールームに飛び込むと、「じゅわじゅわ」という泡を吹くようなさびしい音がして、相変わらず水は出ない。なぜに?? キッチンの蛇口でも確認したけど、やはり出ない。考えられる原因は、ポンプしかない。庭の貯水タンクのうえに設置されているポンプを見に行くと、「ウィ〜ン」とスイッチが入りっぱなしになっている音が聞こえる。どうやら空回りしているらしい、これは「呼び水」をしなくてはいけないのではないだろうか。でも、やったことがない・・・。とにかく電源を切って、汗かきついでに、自転車ででかけて用事をすませることにする。人に会った時くさいと困るので、トワレをしゅぱしゅぱ。(なんだか匂ってきそうな話でごめんなさい)イキマリオとオセアンパッションで、友人に会ってほっぺにチュッチュのあいさつをしたときに、相手が顔をしかめたような気がする・・・考えすぎ? わたし、くさい?? 帰りに仕事中の夫のところへ寄って、状況を説明する。思ったとおり、「呼び水」をしてやらなくては、ポンプが水を汲み上げられないで苦しんでいるらしい。やさしい夫は昼休みに来てくれて、問題を解決してくれた。やれやれ。やっとシャワーを浴びられる。

いざとなったら、水着に着替えて直接タンクからバケツで水を汲みあげて、水浴びすればいいんですけどね。

5月25日(土)
久しぶりに、村のBal(バル=ダンスパーティ)へ出かけた。夫が働いているゴーギャンパールでテーブルをひとつ予約してあるということで、私もご相伴にあずかった。

7時からということだけど、時間きっかりに始まるはずはない。7時半ごろ行けばちょうどいいんじゃない?と行ってみたら、ホールはがらんとしている。普段はバスケットボール&バレーボールのコートになっているその会場には、ミュージシャンのためのステージと、まん前に踊るためのスペースがあり、それ以外は6人から10人以上のためのテーブルが、ところ狭しとセッティングされている。各テーブルには、1.5リットル入りのミネラルウォーターのボトルと、コカコーラ1.5リットルのペットボトル、それから1リットル入りブリックパックのスペイン産安ワインが置かれている。たくさんあるテーブルの中で席に人がいるのは、ゴーギャンパールのテーブルだけ。数人のタヒチアン、中国人、日本人(みんな核入れ技術者だ)が手持ち無沙汰にしている。あれ?奥のほうの隅っこのテーブルでは、もう食べ始めている、ずるい。と騒いだら、ミュージシャンの人たちがひと足早く食事をすませているのだった。恥ずかしいなあ、食いしん坊の私。

結局お料理がはこばれてきたのは、8時過ぎ。バルの定番は、キュイジ−ヌ・シノワーズ。こういうとすごく洒落て聞こえるけれど、要は中華のお惣菜タヒチ風。白いごはんに、ブタの角煮、牛肉野菜炒め、カナール・ラケ(鴨肉の甘辛煮)、プレ・ブラン(茹で鶏)、ポワソン・クリュ・シノワ、魚のすりみ・・・。ロ−カルの豚肉は、脂身がとろけるようにおいしい。危険な味だ。それにしても、日本で食べる豚の脂身とは、ぜんぜん異質のもので、いつ食べてもうっとりしてしまう。メインのダンスミュージックが始まる前に、かわいい子供たちによるタヒチアン・ダンス。知り合いの子供たちが出演(?)していて、夫は思わず激写!
あとで同僚の日本人から「ロリコンのカメラ小僧みたいですよ」と言われて、ショックを受けていた・・・

高い天井のうえから煌々と輝く蛍光灯のした食事をしていると、子供たちが退場して、ダンスタイムが始まる。すると、そら来たとばかりに蛍光灯が消され、青や赤・黄色の電球がともされる。キッチュな雰囲気だが、あまりにも暗くて、テーブルのうえの料理が見えない。早く食べ終われということか。現に、食べ終わったテーブルでは、どんどんプラスチックの皿やコップが片付けられていく。これがしまいには、テーブル自体もはこびだされて、すべてがダンスのためのスペースとなるのだ。ディナーは高くて食べられないけど(もしくは食べたくないけど)、ダンスタイムから参加するという人たちがたくさんいる。盛り上がりが最高潮に達するのは、11時から12時。

翌日人に聞いたところ、みんなが引き上げたのは午前1時をまわっていたとのこと。ケンカも勃発せず、楽しく酔っ払い踊り狂ったようだ。酔っ払うのは好きだけど、踊れない私はさびしいから、10時ごろで帰った。だってみんなバリバリに複雑なステップを踏んだ社交ダンスなんだもん。簡単なワルツのステップくらい、夫と身に付けなくては・・・と、以前にも書いたような。進歩がない・・・。(それとも熱意がない?)

5月23日(火)

朝いつものように寝ぼけまなこでパソコンに向かいメールチェックをしていたら、ぎょっ!! いっぺんで目がさめた。接続速度45.2Kbps!!! な、な、なんだこの数字は!! いつもはどんなに行っても33.6、たいていは24.0とか16.8、ひどいときは9.8とか出て、メールを読み込んでいる途中で「ぶちっ」と切れるのに。パソコン小僧のマネージャーが言っていたように、とうとうデジタル交換機になったらしい。確か2年くらい前から、「もうじきデジタルになる」という噂があったように記憶している。実現したとは、すばらしい。これからは、かなり快適なインターネットライフが送れるようになるにちがいない。でもみなさん、1通1MB以上のメールは送ってこないでね

5月22日(水)

おお神さま、ありがとう!! 奇跡が起きた。

「フィガロ・ジャポン」の取材2日目。キアオラソヴァージュの取材・撮影がメインとなっていた。それなのに、朝起きたらラグーンは時ならぬ季節風のせいで白波が立ち、雨がざあざあ降っているではないか。夫に車でキアオラまで送ってもらい、7時まえからレセプション奥のサロンに待機する。雨はいっこうにやまない。が、私の経験からいえば、8時を過ぎたあたりから、少しは天気が良くなるはずなのだが・・・。

時おりうろうろしながら、ホテルマネージャーやアクティビティデスクの人、貝殻を売っているおばちゃんたちに意見をうかがう。「ソヴァージュへ行くの」みんな、気の毒そうな表情で、首を左右に振る。どうしたものか・・・。Kさんと打ち合わせをする。彼女も決めかねている。「ソヴァージュ、行きたいでしょ?」と言ってみたり、「船 揺れるのいやでしょ」と言ってみたり。ホテルに残ってお部屋の撮影をするか、それとも晴れ間がでるほうに賭けてソヴァージュへ行くか。船が出る30分前まで迷い、「ソヴァージュ行こうか!」と決まる。私としても、大好きなランギロア、空港のある島だけでなく、ぜひとも船でモトゥへ行ってほしかった。あとは、お天気だけ・・・。神様、力を貸してください・・・などと、柄にもなく船の上でお祈りしていた。頭の上には真っ黒な雲、ソヴァージュが待つ行く手の空にも、どんよりとした灰色の雲がいすわっている。ところが、ソヴァージュまであと30分くらいというあたりから、行く手に青い空がのぞきはじめた。これはいけるかもしれない・・・。このときばかりは、真剣にお祈りしましたよ。船が着く頃には、太陽も顔を出して、気温はかなり上がっていた。海の色も、きれいに出ている。やった!

はしけが私たちに向かってきた。今日のシフトは、ミシェル。船で到着した私を見るや、「Minaさ〜〜ん!」とハイテンションで呼びかけてくる。それはダンナの名前だって。しかたない、ミナって、女の名前だもんね。訂正しないでほうっておく。

さあ、雨雲が来ないうちに、撮影!! カメラマンのOさんががんばっている間に、Kさんと私は、ミシェルにインタビュー。ミシェルってば、なんだか知らないけどすごくハイになっている。ソヴァージュにいる間はずっとこうなのか。ちょこまかとよく動くし。これでもう孫がいるおじいちゃんだとは。
ラッキーなことに、私たちがソヴァージュにいる間中、太陽は隠れなかった。帰りの船に乗り込んで、村が近づいてくると、雨が降り出した。

12時半ごろホテルに着き、急いでチェックアウト。お昼をゆっくり食べている時間はない。手配しておいたタクシーに乗って、オセアン・パッションのキャロリーヌのアトリエへ。

すべてが終了し、早めに空港へ移動。カメラマンのOさんはお昼抜きで撮影されていたので、買っておいたカスクルート(フランスパンのサンドイッチ)を空港のスナックで食べる。お2人は、パペーテで乗り継いで今日のうちにモーレアへ渡ることになっている。モーレアに到着する頃には、日が暮れているだろう。お疲れ様です。「これから一緒にモーレア行こうよ。でも旦那さんにおこられちゃうかな」とKさん。うっ、行きたい・・・!! ダンナはおこらないに決まってる。(ホントか)一緒に行くなんてアイディア、思いもよらなかった。任務を遂行することしかずっと頭になくて。ひとりでは他の島へ行ってもつまらないけど、Kさんたちとなら、お仕事のお邪魔をしないよう気をつければ、すごく楽しそう。旅行の支度をしておけば良かった。

今後の私の課題は、運転免許をとること。こんなことなら、学生のうちに教習所通いをしておけばよかった。Oさんが「温泉つき1週間合宿免許ってあるよ」とおっしゃる。今度行こうかな、温泉、いえ合宿免許。

*「フィガロ・ジャポン」Figaro Japon タヒチ・ニューカレドニア特集 7月5日発売です。よろしく!!

5月21日(火)

ああ緊張する。朝から夫とふたり、頼んでおいたシャポーニアウ(椰子の葉で編んだ帽子)を受け取りにいったり、ご近所で花盗人をしたりと忙しい。

今日と明日、「フィガロ・ジャポン」誌の取材の方々をアテンドすることになったのです。2週間かけて島々をまわられているとのこと。タヒチ島在住のベテランコーディネーターTさんが、用事があってどうしてもランギを担当できないとのことで、私に仕事をまわしてくださった。依頼があったときには、ちゃんとやったこともないのに、不器用でとろい自分に臨機応変の取材コーディネートができるのか、通訳だってちゃんとできるのか、とてもじゃないけれど自信なんてひとかけらもなかった。が、なにごともチャレンジ! 愛するランギロアを正しくご案内する使命を帯びて、引き受けた。私は運転免許を持っていないし、いきなり1人ではどうも心細い。夫が会社に頼んで休みを1日だけとり、初日はふたりでご案内することになった。

そんなわけで、花は撮影用。ハイビスカス、ティパニエ(プルメリア)、ティアレ、名前を知らない花・・・心あたりの場所をあちこち回って、色とりどりの花を集めた。車の中は、すごくいい匂い。

そのほか、撮影に役立つと思われるものを集めて車に積み込み、空港へ向かった。副編集長のKさんとカメラマンのOさんが、ボラボラから到着。お天気はお世辞にもいいとはいえない。ホテルに着いてチェックインをすませると、すぐに島をひととおりご覧になりたいということ。村に向かいはじめたら、雨が降り始めて、どんどんひどい降りになってきた。車のフロントガラスは、ワイパーが役に立たないくらいだ。「サファリツアーみたい」とKさんがちょっとおびえている(それとも楽しんでいるのか)。外には出られないから、ゆっくりと島をご案内する。お昼を食べるためにマリーナへ寄り、食べ終わる頃にはとりあえず雨があがった。ランギロアの隠れ宿「ルレ・ジョゼフィーヌ」で取材をしてから、また村へ。イルカがパスで跳ねる時間ははずせないので、夕方にはまたティプタパス。小雨が降り出す中待つけれど、なかなか出てきてくれない。海の感じはいいのに。
そうこうするうちに、ドルフィンウオッチの船が繰り出してきた。すると、それを待っていたかのように、イルカが波間を跳ねはじめた。やった! イルカのジャンプはいつ見ても爽快で気持ちがいい。みんなで歓声をあげる。

明日の天気はどうなるだろうか。

5月13日(月)

マラッムはおさまったようだが、一日中雨が降ったりやんだり。今週のお客さんは、ちょっと気の毒だ。

知り合いの訃報があった。知り合いと言ってしまうと冷たい感じがするし、友人と呼ぶと馴れ馴れしいようにも思える。タヒチに住むようになってから知り合いになった、オーストラリア人だ。いや、正確にはイギリス人なのだろう。出会ったのは7年くらい前。私と夫が働く養殖場に、彼が短期間で仕事をしに来た。年齢は私たちよりずっと年上だったが、同じように机を並べて、同じ仕事をした。彼のほうがキャリアがあるから、結果は同じではなかったけれど。彼は年に何回か、1,2ヶ月というペースでランギロアへ働きにやってきていた。あるときからぱったりと来なくなり、「彼どうしたの」とマネージャーにたずねると、「今はクックで働いているらしい」ということだった。クック諸島でも、黒真珠の養殖は行われている。やせて背が高く、あご髭をたくわえ、おしゃべりではないけれど話してみると気さくで、ちょっと変わったユーモアを織りまぜては、自分で自分の言ったことがおかしくて、くすくす笑いが止まらなくなるような人物だった。彼が、クックで自殺をしたという。なにがあったのかは、わからない。自殺と聞いて、ああじゃないかこうじゃないかとやたらと饒舌に自説を披露したがる人がいるけれど、私にはそんな人の気持ちが理解できない。もうやめて!と耳をふさぎたくなる。私はただただ、ショックで、もう彼に2度と会えないのだという悲しい事実を受け入れる努力をするしかない・・・

5月12日(日)

昨日よりは、風も弱くなっただろうか。しかし、ラグーンはとても海水浴をしようという気になるようなものではない。第一、寒い。明日にはもっと良くなってくれますように! 外が暗くなっても、椰子の葉が不安げにざわざわと揺れる音が聞こえてくる・・・。

とうとう「ライロア便り」第1号を、ポストへ入れた。どきどき・・・。無事に日本へ届きますように!

5月11日(土)
雨は上がったものの、季節はずれの南風が吹き、ラグーンはおそろしく荒れている。今日日本から到着したIさんたちをたずねてミキミキへ行くと、ものすごい波がたっている。バンガローは海からわずか数メートルのところに建っているから、南風が吹き荒れるとたいへんなことになる。Iさんたちも、ドアをぴったりと閉ざしていた。私など、荒々しく盛り上がる波もまたきれい・・・などと、うっとりと眺めてしまうが、旅行者の人にとってはそれどころではない。マラッムが吹く季節ではないから、長くは続かないと思うのだが。

5月10日(金)

夕べから、かなりの量のまとまった雨が降っている。朝も土砂降りに近く、さすがのポセイドンも散歩をおねだりすることを忘れて、ソファでぐうぐう眠っている。夫も、自転車はやめて車で仕事場へ出かけて行った。涼しいから、寝室のひんやりとしたベッドが私を呼んでいる・・・。おっといけない、仕事しなくちゃ! 

5月7日(火)
バナナがこんなに黄色くなって来た! 面倒くさくてつい、上に吊るさずにそのまま外に置いておいたのだった。熟れた実からもぎとって、どんどん食べ始めている。が、今朝見ると、何かにかじられたあとが・・・。たぶん、ネズミ? 「他人には食べられないけど、ネズミに食われてしまうなんて」と夫がぼそっと言う。あわてて家の中にいれる。会社に持っていってみんなにおすそわけ。残った分は、ミキサーにかけて、ジュースにする。

5月3日(金)
久しぶりに、白ワインを村で衝動買いしてしまった。冷凍庫で急速冷蔵して、夕食に間に合わせる。今夜は、この間手に入ったばかりの、まぐろのお刺身。私特製の、柴漬け入りタルタルソースを添えて。ミュスカデがよく合って、おいしい。ブルーの脚がついたグラスは、実はいただきもの。2月にピンクサンドビーチでお友達に囲まれてウェディングセレモニーをされた、Mさんたちが置いていってくださった。ピンクサンドビーチでお祝いのシャンパンを飲むため、それだけのために大事に日本からもっていらした、10セットのシャンパングラスだ。花嫁花婿のことを思い出しながら、ワインを注ぐ。幸せをおすそわけしてもらっている気分だ。

食後は、ミキミキに滞在しているTさんご夫妻をお連れして、キアオラのバーへ。Tさんたちは、ミキミキに7泊されて、明日日本へとお帰りになる。カクテルを飲みながら、おしゃべり。9時半頃に外へ出ると、空はこわいぐらい、星、星、星。Tさんの奥様が、「あれ、さそり座です」と教えてくれる。夫と2人、感動。天文部だったのだそうだ。ミキミキへと到着してまた星空を見上げたら、キアオラに比べて照明が少ないからか、さらに星の数が増えている。天の川もはっきりとわかる。「ランギでは、月明かりで本が読める」と誰かが言っていたけれど、星明かりもこんなに明るいのか。こんな夜を、「星月夜」と呼ぶと、何かの小説で読んだ気がする。ほしづきよ。

4月30日(火)
まいった。我が家の駄犬ポセイドンが、ラブシーズン真っ只中になってしまった。1週間ほど前から、庭をうろうろと徘徊しては悲しげに吠え、散歩に連れ出すと狂ったようにぐいぐいリードを引いて、鼻面がつぶれてしまうのではないかというぐらい地面や草に鼻を押し付けて、愛しい彼女の残り香を嗅ぎまわっていた。それが、夕べあたりからさらに深刻になったらしく、餌を残すようになった。そして今朝は、どうやら最高潮に達しているらしい。問題の「彼女」の姿は、私も夫もちらりとも見たことはないのだが、匂いが風に乗ってやってくるらしくて、庭をあちこち歩いては、じっと座ってあらぬ方を見つめ、そわそわと家の中に入ってきてはまた外へ出て、また別の入り口から入っては、出て行くということを繰り返している。パソコンに向かっている私の背後を、ポセイドンがちょこまかと横切っていく音が聞こえる。そのうち、私のところへ来て、クーーンと悲しげに鼻を鳴らして、おすわり。かわいそうになって、思わず抱きしめてしまう。ごめんね、散歩に行ってもいいんだけど、余計つらくなるだけだよ。もうきりがなくなってしまうのだから。放してやったら、数日間帰ってこないに決まっている。

犬たちのラブシーズンは、命がけ。飲まず食わずで数日を過ごすのだ。オスもメスも、ボロボロになる。強いオスはメスに近づけるけれど、弱いオスは黙って見ているだけ。何もできないなら、強いオスにいじめられるより、家に帰って寝てればいいのにと思うのだが、そばにいないではいられないらしい。悲しい・・・。こうしている今も、ポセイドンがまた家の中に入ってきて、すぐ出て行った・・・。

4月29日(月)
ライロア便り」(ご存知ない方はこちらをどうぞ!)の原稿を書き始めている。日本の都会に住む疲れた人たちの癒しになれば、というコンセプトで始めることにした企画だったが、考えが変わった。少し前から日本では、やたらと「ヒーリング」「癒し」「癒し系の〜」という言葉が聞かれる。が、日本の方たち!
「癒されて」ばかりではいけません! 流行に乗ってヒーリングミュージックを聴いたり、癒しの宿と呼ばれるところへでかけたり、アロマテラピーを受けたりして、そのあとエネルギーが100%にチャージされましたか? 答えは必ずしもYesではないはず。 もちろん癒されることも時には必要です。が、それだけでは、いけません。ときどき日本へ里帰りしたとき感じます。日本の人よ、もっと元気になりましょう。癒されるばかりでは、一休みしているだけの元気はさらに深い眠りについてしまいます。アクティブになりましょう!ライロア便りは、南国のエネルギーを充填した文章・写真でもって、元気の素をお届けしたいと思います。

4月26日(金)
乾季はこうでなくっちゃあ!! と膝を叩きたくなるような、さわやかな晴れ空。ひんやり透明感のある空気に誘われて、自転車でお散歩しちゃったりして。何をしても気持ちのいい日だ。

4月25日(木)
あのバナナ、どうなったのかなーと気にしていらっしゃる方、多いのではないか? それともこの私だけ?日本にいる間、時々気にしていたバナナ、戻ってみたら健在だった。少し太ったかな。
実は前回、黄色く熟れてさあもう食べるばかり!となったところで、誰かに持って行かれてしまったという苦い経験を持つ私たち。夫はそうでもなく悠然としているのだが、私は1人でじりじりしていた。だいたい誰が持ち去ったのかは目星がついている。なにせ裏の海にポセイドンを連れて3人仲良く海水浴に出かけて、帰ってきたらなくなっていたのだ。でかけるときに「わあもう食べられるよ、あれ。あとで食べようね」などと話していたのだ・・・。くやしいったらありゃしない。帰ってきて無事なのを確認したら、あとはもういつ誰かが持って行ってしまうのじゃないかと気が気じゃない。早く切ろうよ〜と夫をせかす。重すぎるから、自分では切れないのだ。
しめしめ、これで大丈夫。木になって
いたときとは逆向きにつるして、
黄色く熟するのを待つだけ・・・。

4月24日(水)
明け方からまとまった雨が降り、肌寒いくらいだ。ポセイドンの散歩もおあずけ。夫を送り出した後、涼しいのをいいことに、爆睡してしまう。仕事しなくて、すみませーん。午後、家の中の掃除と、庭の落ち葉拾いをかろうじてする。暑いと暑いで体が動かず、涼しくなるとここぞとばかりに寝てしまう。いつになったら働くのやら。南の島でフリーで働くのは、自分との闘いだ。

4月23日(火)
今日も朝から暑い。朝食もそこそこに、扇風機を回しながらパソコンに向かって仕事。午前10時、
自転車に乗ってゴーギャンパールへ。メールをいただいていたIさんご夫妻と待ち合わせ。養殖場見学をすることになっている。ご夫妻は、ペンション・トゥアナケに泊っているので、ゴーギャンパールのすぐお隣だ。見学は今までほとんど夫がやっていたため、私は今ひとつ自信がなく、アンチョコ(これってどこの言葉?!)を見ながら説明する。1時間弱の見学のあとは、ブティックへ。
シルバーで仕上げたペンダントトップを選んでくださる。そうこうしているうちに、もう一組日本人の方が、カブリオレでいらしてくださった。ご夫婦と小さな娘さん・・・と、旦那様はどこかでお会いしたような? 「その節はどうも」と言われて、やっと思い出す。日本への出発前の一仕事で、一緒に戦渦をくぐった仲じゃあありませんか。今回はご家族旅行・・・わざわざゴーギャンパールへ寄ってくださって、うれしい。奥様は悩まれた末(黒真珠、色々な色・形があるから悩み出すと大変なんです)、ブルーグレーが美しい珠をふたつ、ピアス用にお買い上げくださった。台の上に置いているだけだとそうでもなかったが、肌の上に置くと、いっそう色が映えて輝きが増してきれい。アクセサリーは、中でも真珠は、身に付けた人の肌の色や全体の雰囲気によっていかようにもイメージが違ってくる。そしてその人自身も、真珠によってがらりと雰囲気が変わったりするから、不思議だ。
帰宅すると、お昼。軽く食べた後、またパソコンに向かう。こんなに仕事したのは、久しぶりだ・・・。
といっても、ゴーギャンパールの仕事はボランティアなんですけど。早くお金もらえるようにしなくちゃ。

4月20日(金)
蒸し暑い。昼間の暑気が抜けない寝室で扇風機を回しながら、時差ぼけでよく眠れないままに朝を迎える。この時期になれば、朝はひんやりとした空気を味わえるはずなのに、夜明け前に降った雨のせいでじとじとと蒸し暑い。ついこの間までいた日本の陽気がなつかしい。暑くなく、寒くなく。

成田空港へ飛行機が着陸したとき、滑走路をすべる機体の窓ごしに、うす桃色の花をわずかにつけた桜の木が1本だけ、見えた。あのときの昂揚感といったら。春の日本に来たんだなあ。さて、桜はどこへ見に行こう? タヒチを発つ直前の激務による疲れが癒えないまま日本へ到着して、そのうえ落ち着く居場所がない実家の部屋で、ぼんやりと数日が過ぎた。かろうじて出発直前に、友人が休みをとってつきあってくれると言って、彼女が選んで予約もしてくれた伊豆高原のオーベルジュへの1泊旅行だけが決まっている。「さくらの里」という、幾種類もの桜が植えられている公園では、きっと桜が見られるに違いないが、ソメイヨシノは無理だろう。ソメイヨシノの、幻のように音もたてずにはらはらと散る、はかなげなあの白い花が見たい・・・。友人夫妻が住んでいる大好きな京都へ行こうか、やはり学生時代からの友人が結婚してから移り住んだ松本へ行こうか・・・。奈良の吉野もいい時期だと教えてくれた人がいた。結局、何も決められないうちに数日がたち、リゾート踊り子号に乗って、伊豆高原へと旅立った。

泊ったのは、サンジュリアンというオーベルジュ。もともと9部屋しかない小さなホテルだが、その夜は私達だけで貸切りとなった。ほかに予約を入れていた人たちは、桜が予想外に早かったため、日程を変更したのだそうだ。貸切りのお風呂はひろびろとして気持ちよく、お湯も熱すぎなくて、ちょうど良かった。それにエステ! 1泊2食つき2万円のプランには、フェイシャルがセットされていたのだが、背中マッサージもプラスしてしまった。ああ極楽・・・。何度でもお願いしたい。食事は正統派フレンチで、ワインの品揃えが立派。レストランやバーの雰囲気も、とても良かった。いつのまにやら私はオーベルジュ評論家になっている?!宿の批評はこの辺でやめておいて・・・。

翌日は、これ以上のぞめないくらいの晴天。ホテルをチェックアウトして外へ出ると、春のやさしい光の中、庭に咲いた花が笑いかけているみたいだった。さくらの里では、ソメイヨシノによく似ているけれど、少しピンク色が濃い、シオミザクラ(?ちょっとはっきりしません)が満開で、夢心地でふらふらと公園の中を歩き回った。来て良かった。なんだか知らないけど、誰かにお礼を言いたくなる。
東京に戻ると、そのまま滞在後半が買い物やら雑事であっという間に過ぎていった。2週間は、長いようで短い。

4月17日(水)
午後2時40分、空席の目立つ国内線で、パペーテからランギロアへ到着。この果てしない安堵感は何だろう。ひたひたと押し寄せる幸福感・・・なんちゃって、詩人になっているほど私はロマンチストではありません。この喜び、それは、私に日本からここまで心身ともにストレスを与えつづけた「大荷物」から解放されたことによるものなのです。手荷物も含めて65キロもの荷物を、ここまで運び終えた。あとは夫が車でやってくるのを待つだけ・・・。よくぞか弱い(?)この体で、これだけのものを運んで来たものだと、達成感に酔いしれそうなくらいだ。まあ成田空港までは宅配にお願いしたし、行く先々で人から助けられた(迷惑をかけた?)けれど。仕事関係の荷物が大半を占めたので、日本食はまったくといっていいほど持ってこられなかった。ごまだれ2本と、カレールー2箱とチューブ入り和からし1本だけ・・・。本もCDもなし。仕方ない。これからのビジネスのためだ。
何人もの方からご心配いただいた桜見物、10年来の悲願を達成してまいりました。追ってご報告させていただきます。

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