11月14日(木)
まったく犬のケンカというやつは・・・。
ポセイドンが隣の宿敵犬アトスと、大げんかをやらかした。私と夫が散歩から帰ってきたところを、襲われた。あいにくお隣のご主人は、留守。留守を預かっているフランス人のおじさんがいるのだが、アトスはこの人を飼い主だとは思っていない。言うことなんて聞きやしない。
うちの前でゲートをあけようとしたところ(このゲートとフェンスだって、もとはといえばポセイドンを守るために作ったのだ!)、あっという間にやってきて、うちのポンちゃんに襲いかかった。あとはもう、なんと惨状を説明したらいいのか、修羅場といおうか、阿鼻叫喚の渦といおうか・・・。近所のほかの犬までやってきて、ふだんから仲の悪いものどうし、ケンカを始めてしまった。オス同士、メス同士のケンカだ・・・。メス同士はギャンギャン声をたてながら耳やら足やらに噛みつき合っているが、ポセイドンとアトスは・・・。おおなんとおそろしい。こんな犬のケンカは見たことがない。口どうしをがぶっと噛みあって、離れないのだ。牙の先が目の中に入っているんじゃないか。ああどうしよう。歯と歯ががっぷりとかみあわさって、人間の手では引き離せない。第一危ない。口の中に赤い血が見える。あああ・・・。おそるおそる観察したところ、どうやらうちの犬が優勢のようで、ポセイドンがアトスの口を噛んでいる、といった状況だ。ポセイドンはリードでつながれて、それを夫がしっかり持って、なおかつ手にした大きな石でアトスの背中をここぞとばかりにガシガシなぐりつけ、アトス側のおじさんは、なんとかアトスを引き離そうとしている。ん?放さないのはうちの犬のほう?
私はしばらく何もできないで呆然と見守っていたが、アトスの横腹がこちらを向いたところで、思い切りおなかに蹴りを入れた。すると、あっけなく離れたのだが、おじさん、しっかりしてよー!! またやつが襲ってきたじゃないのッッ!! 私は足がガタガタと震え、血の気がひいて、倒れそうだった。ご近所の人がやってくる。たのもしいタヒチアン、アレックスだ! 彼がアトスの両耳をひっぱったら、あ〜ら不思議、嘘のようにアトスがおとなしくなって、そのまま耳の付け根あたりをつかまれたまんま、えーそうですね、ウサギを耳もって運ぶような具合で、それこそウサギのようにおとなしく、アレックスに運ばれていったのでした。またすぐに戻ってきたんですけどね。その頃にはうちもポセイドンを安全なフェンスの内側に入れていたから、あとは金網越しにウーウーうなりあっていた。ああ・・・。やはり駆けつけてきてくれたご近所さんが、「大丈夫? 舌が切れていなければ平気よ。見たところ、負けたのはあっちの方みたいよ」と声をかけてくれた。私は心臓がバクバクして、ろくに返事もできない。
その後のわがやの話題は、これ一色。もしまたこんな事態が起きたときは、どう対処するか。ホースで水をかけようとか、殺虫剤を顔に吹き付けてやろうとか、夫などは「背骨を砕いて半殺しにしてやる」とおそろしいことを言っているし。。。 しかしアトスはいつだって、ポセイドンのテリトリーにやってきてケンカをしかけるのだ。どんな目にあったとしても、文句は言えまい。うちは囲いの中で飼っていて、散歩に行くときだってちゃんとリードをつけている。
この2匹、ほうっておいたらたぶんどちらかが死ぬまで、ケンカをやめないと思う。
それからは、散歩に行くときは必ず太い鉄筋の棒をたずさえている夫だ。そんなものを使う機会が、どうか来ませんように。。。
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